八雲あかねさんの旅行記
テーマ:歴史・文化・芸術
旅行記タイトル:秋色のウィーン紀行
旅行期間:2005/10/26〜2005/11/02

旅行記の内容:2005年の秋、バリ島に行くはずだったのが、テロ事件もあって急遽旅先を変更することに。
南の島のどこに行くかで悩んでいたはずが、突然のひらめきでウィーンへ行くことに決定。
ちょうどピアノのレッスンを再開したこともあって、古典音楽の殿堂でもあるウィーンで音楽の世界に浸りたくなったのだと思う。
音楽、そしてハプスブルク王朝が残した壮麗な芸術作品。
木造とは違う石造建築の街が醸し出すヨーロッパ独特の乾いた空気。
その中で響く音。
ああ、この感覚やっぱり好きだなーと再確認した旅です。
写真:2005年の秋、バリ島に行くはずだったのが、テロ事件もあって急遽旅先を変更することに。
南の島のどこに行くかで悩んでいたはずが、突然のひらめきでウィーンへ行くことに決定。
ちょうどピアノのレッスンを再開したこともあって、古典音楽の殿堂でもあるウィーンで音楽の世界に浸りたくなったのだと思う。
音楽、そしてハプスブルク王朝が残した壮麗な芸術作品。
木造とは違う石造建築の街が醸し出すヨーロッパ独特の乾いた空気。
その中で響く音。
ああ、この感覚やっぱり好きだなーと再確認した旅です。
Wiener Staatsoper国立オペラ座。
パリ、ミラノのオペラ座と並ぶ三大歌劇場。
その歴史は1869年にモーツアルトの「ドン・ジョヴァンニ」で幕を開けました。
マーラーやシュトラウス、カラヤン、カール・ベームなどの巨匠が代々音楽監督を務めてきましたが、2002年に小澤征爾氏が音楽監督に就任していまに至っています。
できれば、小澤氏が指揮をとる演目が観られればよかったのですが、残念なことにこのとき、小澤氏は日本へとすれ違い。
(ご病気が平癒されて本当によかったです。
久々にタクトを振る小澤氏の姿を新聞で拝見して安堵しました。
ウィーンオペラ座での活躍、期待しています)
きらめくシャンデリア、ルネッサンス様式の豪華な装飾。
観客自身が素晴らしい「舞台」に置かれ、開演前から気持ちは一層浮きたちます。
今回、オペラ座へは2度行きました。
一度は到着初日のソワレ。
演目は、バレエ「ジゼル」でした。
席は1番前。
指揮者がまさに目の前にいて、オーケストラピットがとてもよく見えるので感動。
音楽もストーリーもよく知っている演目だったので、素敵な一夜を過ごすことができました。
また、ちょうど隣あわせた方が、今年の9月からウィーンに来ているというHM氏で、音楽のこと、ウィーン・フィルのことについて造詣が深く、公演後、ブリストルのカフェ・シルクでいろいろとお話を伺う機会に恵まれました。
オペラ座の2度目もソワレ公演。
リヒャルト・シュトラウスの『ダフネ』1幕ものです。
このオペラは、ギリシャ神話がモチーフになっているのですが、日の神アポロンに見初められた娘ダフネとそのダフネのことが大好きな男との三角関係・・・ちょっと切ない恋の物語(最後はダフネも月桂樹に変身しちゃうし)・・・かな?(テキトー)
全然知らない演目なので、間違いなく寝ちゃいそうで最初は観る気なかったのですが、音楽好きのHM氏が「ウィーンフィルの演奏は素晴らしいから!」と薦めるので「まあ、シュトラウスの作品だし、ためしに」と現地のチケットセンターでチケットを購入。
観てよかったです。
まず何より、音楽!が素晴らしい。
曲のメロディーがとにかく素敵でした。
スタッツオーパーという最高の場所で聴くオペラの素晴らしさ。
詳しいストーリーなど知らなくても、最高の音楽は最高の感動を与えてくれるのだと、ひしひしと実感した夜でした。

ここ、リヒテンシュタイン美術館は、2004年の3月にオープンした新しい美術館です。
名前の通り、リヒテンシュタイン公爵家が4世紀にわたって収集してきたヨーロッパ美術の作品が展示されていて、個人のコレクションとしては最大の規模を誇るそう。
そのコレクションは、第二次世界大戦の瀬戸際、ウィーンからリヒテンシュタイン公国の首都ファドゥーツへ一時移されていました。
私が大好きなルーベンスの秀作コレクションがあるということで、ウィーンの数ある美術館の中でいの一番に行きたかった所でした。
企画のバロック展も精巧で優美な家具など見所が多く、ファン・ダイクやロイスダール、レンブランドやクラナッハの作品もよかったのですが、やっぱりルーベンスですね!!作品の重厚さ、色の綾なす光と影、人の肌のつややかさ、どの作品を見ても圧倒されます。
また美術館そのものも、歴史的な価値があり、華やかな宮殿の装いをそこかしこに見られて、楽しめます。

最寄の駅近くで撮った写真。
セピアをかけて撮ってみたのですが、車がなかったら時代をいっきにさかのぼれそうです。

滞在していたホテル「ラディソン・サス・パレ」の部屋の窓から見た朝焼けの風景。
目の前に広がる緑は、Stadtpark市立公園。
ウィーン市立の第1号の公園として、1862年にオープンした歴史ある公園です。
バイオリンを奏でる黄金の姿で有名な、ヨハン・シュトラウスの像があるのもここ。
ほかにもシューベルトやブルックナーの像があります。

Stadtpark市立公園内にある、黄金のヨハン・シュトラウス像。

自然史博物館前にあるゾウの像。
(笑)
リヒテンシュタイン美術館の後、最初は美術史博物館にでも行こうかと思っていたのですが、ウィーン一と呼ばれる美術の宝庫を見るには、ちょっと時間が足りないなと思い、じゃあここでもいいか、と気軽な気持ちで入った、美術史博物館の真向かいにある「自然史博物館」。
中へ入ると、子供たちがたくさんいたので、「あちゃー!子供向けの博物館だったか。
まあ、いっか、頭使わなくていいだろうし」と、大人一人で中へ。
どうせ子供だまし程度だろうと軽く見ていたのですが、館内所狭しと展示された膨大な数と種類の動物・鳥、虫、魚貝のコレクションにびっくり!!
動物はいわずもがなですが、鳥鳥鳥・・・虫虫虫・・・魚魚魚・・・世界には、じつに何千何万(もしかして億?)という種類の生物が生息している、ということをあらためて実感。
これだけの種類が展示されていると学術的な研究にも使えそうで、決して子供向けの博物館ではないですね。
ちなみにここは、マリア・テレジアの夫であるロートリンゲン公のコレクションが基になっていて、宝石や鉱石のコレクションなども展示されています。
生き物たちの洪水にもまれた後は、博物館の中にある「カフェ・ノーチラス」(いいネーミングですね)で、動物たちの剥製に囲まれて一息、というのがオススメです。

バロック宮殿の最高傑作のひとつとして数えられるベルヴェデーレ宮殿。
かつてトルコ戦争の時代に、ハプスブルク家の総司令官だったオイゲン公が夏の離宮としていました。
式典用の上宮、居住用の下宮に分かれていた宮殿は現在、美術館として公開されています。
上宮のオーストリア・ギャラリーには、クリムトやシーレやココシュカ、フンデルトヴァッサーなど19?20世紀に活躍した作家の名画が展示されていて、有名なクリムトの『接吻』はここで見ることができます。
下宮には、バロック美術の名作が展示されています。
バロック、いいですよね?ヨーロッパの歴史を感じる重厚さと豪華さ。
日本にはない雰囲気。
天井のフレスコ画など、どちらの宮殿も建物自体に歴史的芸術的価値があるので、見逃せません。
この二つの宮殿の間に広がる、緩やかな傾斜を持つバロック庭園もウィーン市民の憩いの場所です。

なんだか嬉しい。
旅先で見る虹。

王宮内にある美術史博物館。
ここはかつてハプスブルク家の宮廷美術館で、膨大な美術収集品の収納庫として、1872年から1891年にかけて建てられました。
建物も歴史的に価値の高いもので、床や壁に使われた大理石、大階段や天井の装飾画など、絵画以外の見所もあります。
世界でも指折りの収集を誇る美術品には、デューラーやルーベンス、ブリューゲルの作品があるのですが、言葉通り「指折りの収集を誇る」わけですから、館内はとにかく広い。
ハンパじゃなく広い。
パリのルーブルにも過去3回行ってて、それでもまだ訪れたことがないエリアがありますが、ここも1日かけないと全部見るのは難しいです。
最後、閉館時間が迫って焦ってしまいました。
ブリューゲルの作品なんて、時間がないので有名な絵画だけチェックして、最後の方の部屋はもう急ぎ足でした。

シュテファン大聖堂
800年以上の長い歴史を誇るウィーンのシンボル、シュテファン寺院。
12世紀、小さな教会が建てられたのがその始まりで、14世紀にルドルフ4世によって、現在のゴシック様式に建て替えられました。
写真にはありませんが、屋根のモザイク模様が印象的な寺院です。
訪れたこの日は日曜日だったのでミサをやっていました。
お祈りをする人以外はミサが終わるまで中に入れないのですが、「お祈りをしに来ました」と言って堂々と中へ入りました。
ミサはドイツ語で何を話しているのかチンプンカンプンでしたが、司祭の声もパイプオルガンの音色も賛美歌も耳に心地よく、清々しい時間を過ごしました。
写真はミサの後に撮った寺院内部の様子です。

アウグスティーナ教会
ここで、エリザベート皇妃シシィとフランツ・ヨーゼフ一世の結婚式が華やかに行われました。
当時、花嫁のシシィは16歳。
誰もがうっとりするほど美しい花嫁だったそうです。
花婿のフランツは23歳。
美しい花嫁を目の前に、まさに「有頂天」だったのではないかと。
マリー・アントワネットの母親としても有名な、女帝マリア・テレジアもここで結婚式を行いました。
そして娘、マリー・アントワネットがフランス王ルイ16世と結婚することが決まり、その代理人と婚約指輪の交換を行ったのもここ。
つまり、代々にわたりハプスブルク家の結婚式の舞台となったところなのです。
シュテファン大聖堂ほど大きな教会ではないのですが、王族の権威にあふれた、重厚感のある荘厳な教会です。
ヨーロッパの教会では、いろいろなコンサートが開かれていて、夏に何度か行ったことのあるフランスでは、タイミングよく訪れた教会のコンサートにあたったりして「ラッキー♪」ということがあるのですが、今回の滞在では、「あちゃー昨日だったか」とか「残念、帰国日だよ」という状態でラッキーな偶然にはぶつかりませんでした。

アルベルティーナ美術館
もとはハプスブルク家の宮殿で、マリア・テレジア女帝が可愛がっていた妹の夫であるアルベルト・フォン・ザクセン・テシェン公爵が、この美術館コレクションの創始者です。
アルベルティーナの名称も公爵の名前に由来しています。
デューラー、ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロ、ルーベンス、レンブラント、エゴン・シーレといったルネサンス期から近現代までの絵画作品が、膨大な数でコレクションされている見逃せない美術館。
宮殿そのものが美術館になっているので、館内も豪華絢爛。
でも、リヒテンシュタイン、ベルヴェデーレ、美術史博物館・・・どこも宮殿を美術館にしているので、だんだん内部の記憶はゴッチャになってきて・・・
あの絵はどこで見たんだっけ???状態。
(苦笑)

国会議事堂
このギリシャ神殿風の建物は、1873年から1883年にかけて(足掛け10年!)建てられたものです。
議事堂の正面には、アテネの泉と知恵の女神が立っています。
見学のガイドツアーもあります。

ホテル近くの風景です。
思わずこのようなセピアカラーで撮りたくなるウィーンという街。

Musikverein楽友協会の黄金のホール。
旅行前に10月31日同じ会場でのモーツアルトコンサートのチケットを取っていたのですが、それとは別にクリーヴランドオーケストラのチケットを現地で取りました。
インペリアルホテルのちょうど真後ろにある楽友協会は、私の滞在ホテルからも近い。
ちょっと入口が分かりづらいのが難点?
クリーヴランドオーケストラは、その名から分かるとおりアメリカのオーケストラで、ボストン交響楽団やニューヨークフィルなどと並びアメリカを代表するオケです。
この日の演奏曲は、トマス・アデスの室内交響楽op.2と、有名なマーラーの交響曲9番D-Dur。
ウィーンの夜はやはりオペラに演奏会に限ります♪

英雄広場を囲むように立つ弓形の建物、新王宮(ノイエ・ブルク)。
王宮に隣り合う所は国際会議場として利用されていますが、冬にシーズンを迎える華やかな舞踏会の会場としても使われています。
新王宮はまた博物館の宝庫でもあります。
民俗学博物館、エフェソス博物館、狩猟・武器コレクション、古楽器コレクション。
このうち私のお目当ては古楽器コレクション。
パンフレットによると、ここにはアンブラス城のコレクションとエステ・コレクションの楽器と、ルネサンスとバロック期の楽器が所蔵されているそうです。
弦楽器、木管楽器、鍵盤楽器の中で歴史ある古楽器が体系的に収集されていることに感動しました。
個人的には鍵盤楽器に興味があるので、チェンバロとかハンマー・フリューゲル、ターフェル・クラヴィーアに目がいきました。
バロック期の楽器が展示されているホールには、スピネットの模作が置いてあって、実際に演奏することが出来ます。
時間があったので、隣あわせの狩猟・武器コレクションへ。
あくまでも「ついで」のつもりで見たのですが、これがなかなか面白い!
時代時代によって、形も大きさもデザインも装飾もバラエティに富み、多種多様な甲冑があることにまずびっくり。
たしかに日本の戦国時代の鎧も身に着けていた人によってそれぞれ特徴があったり、兜などはバラエティ豊かなデザインが多くありますしね。
それにしても、かつては日本も西洋もこんな重い武具を身に着けて馬に乗って、弓や槍や刀や剣を振り回していたわけですから。
ギャラリーに中世の頃より行われていたシュテッヘン(騎槍試合。
向かい合った騎馬上の2人が長槍で相手を突き倒す競技)の展示がありまして、先の尖った槍を使うためか、身に着けている甲冑がすごく丈夫そうなのですが、馬への乗り降りが大変そうです。
それに馬も同じような重そうな武具を身に着けていて重そう・・・その上にさらに重い人間が乗って・・・ヒトもウマもタイヘンな時代だったんですね。

英雄広場ヘルデンプラッツ。
ここには、オーストリアを代表する2人の英雄の騎馬像が立っています。
トルコ戦の英雄オイゲン公と、1809年のアスペルンの戦いでナポレオンを破ったカール大公。
写真はたぶん、カール大公ではないかと思うのですが、いまいち自信がありません(苦笑)

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